WASEDA UNIVERSITY |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |
(文責: 大木 貴史) |
|||||||||
バイオセンサーは表面に固定した酵素などにより生じるpHの変化を検出することにより測定しています。我々はゲート部分に絶縁膜を付けずにダイヤモンド表面を溶液に直接露出させた構造であるダイヤモンドSGFETを用いて、バイオセンシングの基礎となるpH感応性について研究しており、現在pH感応性の測定誤差の原因となるヒステリシス特性に関する研究を行っています。pH感応性のヒステリシスの影響はISFETの実用化への大きな障害になっています。 水素終端ダイヤモンド表面はpH感応性がほとんどないことを確認しており、pH感応性を得るために表面をアミノ化してpH感応性を持たせた上で、ドレイン・ソース電圧一定のもとにおけるpH変化に対するゲート電圧の変化をpH感応性として測定しました。またpHを2分ごとに2ずつ(4→12→4)変化させて各pHにおけるゲート電圧を測定し、ヒステリシス特性を求めました。その結果を図1と図2に示します。 |
|||||||||
|
|||||||||
この結果から各pHにおけるヒステリシス幅を求めると、次のような結果が得ました。 |
|||||||||
表1 アミノ終端SGFETのヒステリシス幅 |
|||||||||
ダイヤモンドのヒステリシス幅はISFETで用いられる感応膜に比べて非常に小さいことがわかりました。これは、ダイヤモンドではバルク中にイオンが侵入することなく表面だけで反応するためだと考えられます。このことからダイヤモンドSGFETはSi-ISFETよりも応答が速いため、測定精度が高いといえます。そのためバイオセンサーへ応用した際に、高精度のデバイスの実現が期待できます。 |
|||||||||