WASEDA UNIVERSITY |
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カーボンナノチューブの合成装置 前に述べたように、カーボンナノチューブは直径が数nmという非常に細い筒状構造をしていますが、その長さは合成の仕方によって数μm〜数mmまで変化します。カーボンナノチューブの機械的な強さや熱伝導度の良さを建材等の大きな材料に生かすには、より長いカーボンナノチューブを大量に合成する必要があります。そこで、川原田研究室では数種類あるカーボンナノチューブの合成装置の中でも大量合成に適しているとされるCVD(chemical vapor deposition)装置を応用した先端放電型ラジカルCVD装置を用いて長尺カーボンナノチューブの合成を行っています。この装置では、カーボンナノチューブが成長する触媒基板から離れたところでプラズマを発生させて原料ガスを分解しています。そのため、触媒がプラズマによってダメージを受けにくく、触媒の活性時間が延びることにより長いカーボンナノチューブを合成することができます。 |
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先端放電型ラジカルCVD装置の写真(左)と概略図(右) | ||
長尺カーボンナノチューブ この先端放電型ラジカルCVD装置に適切な条件の下、触媒基板を入れて合成を行うと写真のような数mmの長さを持つカーボンナノチューブを合成することができます。この図のカーボンナノチューブの長さは約5mmで、これは世界トップレベルの長さです。このような長いカーボンナノチューブを用いることで、高導電性を持つ複合樹脂材料や平面方向のLSI配線、大きい表面積が必要なエネルギー貯蓄デバイス等が実現できるのではないかと期待されています。 |
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約5mmの長さを持つカーボンナノチューブ |
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発表論文 [1] G.F.Zhong, T.Iwasaki, H.Kawarada, Carbon, 44, 2009 (2006) [2] G.F.Zhong, T.Iwasaki, J.Robertson and H.Kawarada, J.Phys.Chem.B, 8, 1907 (2007) [3] T.Iwasaki, T.Maki, D.Yokoyama, H.Kumagai, Y.Hashimoto, T.Asari, H.Kawarada, Phys.Stat.Sol. 2, 53 (2008) 著書 [1] フラーレン・カーボンナノチューブ・グラフェン学会,『カーボンナノチューブ・グラフェンハンドブック』,コロナ社,2011年,p.32 発表学会 T. Maki, T. Iwasaki, R. Morikane, D. Yokoyama, H. Kawarada "The effect of Al layer on Fe catalyst for Carbon Nanotube Synthesis", 18th European Conference on Diamond, Diamond-Like Materials, Carbon Nanotubes, and Nitrides, Berlin, Germany, September 2007 |
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